立夏号 -今日は旧暦 3月20日です-

四日市、采女(うねめ)の「かまどの家」から国道1号線を、
南西に約3㎞。ここに、佐佐木信綱記念館があります。
佐佐木信綱氏は「♪卯の花の匂う垣根に~」でお馴染みの唱歌
「夏は来ぬ」の作詞者。

さて、この季節、気温も上がり、お酒のアテには冷奴が食べた
くなり、スーパーの豆腐売り場を眺めるに、「波乗りジョニー」
だとか「男前豆腐」だとか、あまりに衝撃的な名前に圧倒されます。
未だ豆腐に3百円級の出費をする勇気が持てず、この手のもの
を買ったことがなく、ささやかな贅沢ができるだけの懐の余裕が
ほしいなあと。

「木綿豆腐」は、木綿で濾して水分を逃がすのに対して、じゃ
あ「絹ごし豆腐」は絹で濾すのかと思いきや、そのまま水分も一
緒に固めるわけで、その喉ごしが「ツルン」と絹のようだという
ことだとかなんとか…。

私の場合は貧乏性で、夕刻セールの「半額」のシールにつられ
て、そのときの事情で「木綿」も「絹」も買っちゃいます。
 でも大体はみなさん、冷奴には「絹」を選ばれるようですね。

やはり「夏は絹」とはよく言ったもんで。


因みに、この季節、佐佐木信綱記念館などの垣根に咲く「卯の
花(ウツギ)」自体は匂いはほとんどなく、一般にはその咲き誇
る姿を「匂う」と表現したと解されていますが、ここはやはり、
佐佐木氏は豆腐マニアで、夕餉にオカラを煮る匂いに心を寄せた
のでは…と思ってしまう私です。なんか腹減ってきた…。
                     (風)
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▼次回のかまどの会は…6月10日。
なんでも、「夏仕様」への「模様替え」の作業だとか!?
そのあと午後から、ゆっくり飲みましょう!(夜中まで?)
冷奴なんかどうすか?(笑)
詳細は次号にて…。(風)
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▼Oさんちの壁塗り。お疲れさまでした!(4/28~30)
参加のみなさんの協力によりほぼ予定どおりの作業(荒壁つけ・
中塗り材料作り)ができました。土を足でこね、ワラをまぜ、実
際に塗ってみるなかで、「寝かせた土」の力を実感することがで
きました。参加のみなさん、施主のOさん、ありがとうござい
ました。「荒壁土を寝かす」っていう極めて当たり前のことが、
当たり前に行われるようになるといいなと思います。(大工夫)
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▼「K大工」が「柴咲コウ」と映画で競演!
かまどの会主要メンバー(笑)の静岡の大工「K氏」が、
「少林サッカー」の続編「少林少女」の静岡ロケで、映画デビュー
を飾る模様!公式かどうかわかりませんが、映画の内容のページを
見つけましたので参考までに!
http://shaolingirl.seesaa.net/
公開の折は皆さん是非観に行きましょう!
因みに彼の役柄は「作業員A」だそうで(笑)。(風)
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# by uneme_tayuu | 2007-05-06 22:12 | 暮らし暦 | Comments(0)

雑草という名の草は無い

かまどもこの頃が過ごしやすいよい季節。

徒然に過ごそうと休みごとに通ってみる。
片付けものをしながら、読書をしたり、調べものをしたり、
時にはなにか書きつくるもよし!

だが・・・
現実はそう甘くない。
春先の寒の戻りに無為にくすぶっていた私に比べ
雑草たちのなんと逞しいことか。
寒さも、日照りの悪さも、土壌の悪さも物とせず、
その強い繁殖力で地面一面に葉を広げ、花を咲かせている。

おかげさまで、家に着くと部屋で落ちつくまもなく
草むしりにいそしむこととなった。


その雑草と戦いながら考えた。

雑草という名の草は無いのだ・・、と。
そうして買ってきた山草図鑑で調べてみる。
ハコベ、ナズナ、チチコグサにハハコグサにオオイヌノフグリ、タチイヌノフグリ・・。
忘れていた懐かしい日本語に再会。
スミレだってタンポポだって探せばいく種類あることか!
ところによってはこんなきれいな白い花の群生まで。
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昨夏に見つけた冥加の新芽も発見!
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気がつくと
じわっと滲むと汗に風が冷たい日の暮れに
春の草むしりもなかなか乙なもの。
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# by uneme_tayuu | 2007-04-26 16:52 | かまど雑記 | Comments(10)

穀雨号 -今日は旧暦 3月4日です-

   いたづらに過ぐす月日は多かれど
           花見て過ぐす春ぞ少なき
                     興風

時が慌しく過ぎ行くうちにさくらの花もすっかり散ってしまい、
憂き世のはかなさをたっぷりと噛み締めた(?)今日この頃を、
二十四節気では穀雨というそうです。
なんとなく、田植えをしたら雨降った、みたいなイメージですが、
”春雨降りて百穀を生化しむる”ということのようで、
春の暖かい雨が大地を潤し、田んぼや畑に活力を与える、ってことかな。
とはいえ現実にはもうあちらこちらで田植えがはじまっています。
何十年か前まで田植えは学校で運動会がある六月ころだった、と
お年寄りから聞いたことがあります。
近頃は台風が来る前に収穫を済ませようと、だんだん田植えの時期が
はやまってきたそうです。しかしそのお年寄りは言いました。
六月に植えたほうが強く育つので農薬もいらんし米がうまい。
 
自然の声に耳を傾け、大地が潤うのをもう少~し待ってみる、
そんな感受性を取り戻したい、と心ひそかに願っています。

今回の「暦メール」の担当は大工夫でした。

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■ 土壁塗り見学・体験会のお知らせ ■

前回四天王寺花見でかまど初参加のOさんのアトリエ、左官工事が
いよいよ大詰めを迎えました。四月初旬に和歌山・龍神村からやってくる
左官職の指導のもと荒壁の材料をつくってきました。

今回は、その荒壁を竹小舞に塗り、余力があれば仕上げ塗り材料の製作を
行いたいと思います。
現場ではすでに三年寝かせた土が塗ってある箇所もあり、五月
中ごろには土間の叩き土の施工の予定です。
最も身近な建築材料・土の魅力を再発見するまたとない機会です。
自宅を土壁仕上げでとお考えの方、左官仕上げに興味のある方必見です。
木工事においても、金物を使わない木組み・すべて
の垂木がナグリ仕上げ・ヤリカンナ仕上げの階段など見どころ満載。
汚れてもよい服装で、やる気、マイコテ、マイコテ板お持ちの方は持参してください。

★Oさんの方でお弁当は用意したいとのことです。
人数把握のため、参加ご希望のかたは、ご連絡ください。
その際「かまどメールを見た」と言っていただけるとわかりやすいです。

<予定(小雨決行)>
日 時  平成19年4月28日(土)・29日(日)・30日(月)
場 所  度会郡大紀町崎
集 合   八時半頃より随時
(42号線「沼ケ野」交差点左折した辺りで集合、迎えにゆきます)
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# by uneme_tayuu | 2007-04-20 17:15 | 暮らし暦 | Comments(2)

新版かまどメール ~旧暦で暮らす~

これまで不定期にお届けしていたメールマガジン風
お知らせかまどメールですが、
今春から装いを新たに、ライターも充実させてお届けしています。

竈の家で催されるイベントや仲間の最新情報のほかに
四季の行事やしきたり
日本人をとりまく時候や天文
動植物の自然
これらを通して感じられる季節の感覚
昔から伝承されてきた地域に残る暮らし覚書
などなどをご紹介することで
昔の人が培ってきた生活の知恵を
もう一度見直していただこう、というのがその趣旨です。

あわただしく過ぎて行く日々の中で、たまにはちょっと立ち止まり
物はなくとも心豊かでシンプルに生きられるそんな暮らしを考えてみませんか?

受信ご希望の方はこちら までお名前とアドレスをお知らせくださいませ。

~古い民家で自然や人とつながりながら
     ゆっくり暮らすことを考えてみましょう♪~

***伝統的な住まいを考える・丁寧な暮らしを考える・日本の食文化を見直す***
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# by uneme_tayuu | 2007-04-16 17:31 | かまど通信 | Comments(0)

清明号 -今日は旧暦 2月18日です-

4月1日の四天王寺のお花見は、おいしい手打ちうどんとお好み焼き、
幻の密造酒(?)でおおいに盛り上がりました。

そして夕暮れから始まった本堂でのライブ。
みかんさんの尺八&服部さんの和太鼓、そして混声合唱団による声楽。
春の夜を楽しむにふさわしいライブとなりました。

*
さて、今日は二十四節気でいうところの「清明」。
万物に清新の気が満ちて草木が芽吹きだし、何の草木か種類が明らかに
なる頃とされています。
読んで字のごとく、爽やかで気持ちのよい季節を感じさせる言葉ですね。

私はいつも朝起きて一番に、部屋の窓を開け放ちます。
冬の間はきーんと冷たい空気が気持ちよかったのですが、
この頃は、春の匂いを含んだやわらかな空気に変わり、
心なしか淡いピンク色がかかっているようにも感じます。

ところが、最近は黄砂が降り始め、そんな爽やかな気分も長続きしません。
「花曇り」ならぬ「砂曇り」は、満開の桜には相応しくない気もしますが、
中国の砂漠から飛来してきていることを思うと、黄砂の砂一粒に“遠い旅”
を想像し、それはそれで楽しかったりもします。

遙か遠い国の、砂漠の春。
きっとそこに暮らす人や植物にも清新の気が満ちていることでしょう。

・・・春はいろんなことが始まる季節。
清らかな明るい気持ちで毎日を過ごせますように。

今回の「暦メール」は、yokoが担当しました。

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■ 初夏を楽しむ山小屋ツアー ■

かまどスタッフのkuma28さんが長野県に19年前に仲間と手造りした
山小屋へと皆さんを招待してくれます。
この、またとない機会にぜひご参加ください。
大まかの人数把握のため、参加ご希望のかたは、早めにご連絡ください。

〈大まかな予定〉
日 時  平成19年5月19日(土)~20日(日)
場 所  長野県阿南町周辺
集 合  19日(土) 13:00頃 
          長野県阿南町の道の駅「信州新野千石平」で集合
山小屋紹介 http://ameblo.jp/kuma28/theme-10001952556.html 
      (kuma28さんのブログ)

日曜のみの参加も可能です。
阿南町道の駅までは、名古屋から3時間ほどですが、
道順に自信のない方は名古屋から
kuma28さんの車についていくこともできます。

時間未定の方には道の駅から山小屋までの地図を
お送りしますのでお好きな時間にきてください。
5月はベストシーズンです。ウッドデッキで毛布をかぶって
昼寝しながら青空を肴に飲むビールはたまりません。
酔いがまわったら露天風呂で覚まして、また繰り返し。
一泊で帰るのはもったいないくらいです。


■ 和太鼓・服部博之さんが出演される公演情報 ■

「林 英哲 アコースティックコンサート2007 in 四日市」
日時:平成19年5月9日(水)
会場:三重・四日市市文化会館第2ホール[18:30開演
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出演:土井啓輔、英哲風雲の会(上田秀一郎、はせみきた、服部博之、田代誠)
料金:¥6,000(全席指定・税込)
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◎チケット発売中◎[英哲太鼓の会 http://www.eitetsu.net/fc/index.htm
問い合せ:四日市市文化会館 059-354-4501 http://www.yonbun.or.jp/
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# by uneme_tayuu | 2007-04-05 17:42 | 暮らし暦 | Comments(2)

春分号 -今日は旧暦2月3日です-

かまどメール新装版、春分の日はkuma28がお届けします。

地球の軸がちょいと傾いているおかげで、季節が変化します。
この傾き加減がちょうど良く、日本では四季を楽しむことができます。

もし地軸が90度傾いていたら、悲惨なことになってましたですよ。
夏は、一日中太陽が沈まないし、冬はいつになっても朝が来ません。
蟻さんなんか、一日中働き続けて過労で倒れてしまいます。

地軸の傾きは、23.4度。誰が決めたか知りませんが、この傾き加減が
絶妙なんですね。ほんと不思議ですねぇ。

不思議と言えば、月は地球を回る間にちょうど一回だけ自転している
ので月の裏側を地上からは、見ることができません。少しだけずれて
いてくれれば、裏側も見ることができたのに残念ですね。でも、見えない
ものを見たいのが人間の心理、月の裏側を見たいという地球人類の
潜在意識が宇宙開発を推進したと言う事実、ほんとうに不思議です。

信頼すべき人からの又聞ですが、月の裏側には何が描かれているか、
昔アンケートをしたそうです。アメリカ人はイエス・キリストの似顔絵、ソ連
人は、カール・マルクスの似顔絵が書いてあるはずという意見が多かった
そうです。最初に月の裏側に行ったという人のうわさでは、本当は、サダ
ム・フセインに似た絵だったそうで、ソ連もアメリカもいまだにクレーターだらけ
の捏造写真しか発表できないでいます。不都合な真実、ここにもあったの
ですね。ゴア氏は副大統領のときに現物の写真を見ているはずなのに
なぜ本に書かないのでしょうか。

さて、本題。今日は二十四節季の「春分の日」。昼と夜が同じ時間になる日です。
かすかな春の気配を感じるだけの立春の日から数えて約45日。、もう春はすぐ
そこと感じる日。立春とか春分とかうまく名づけたものですね。

仏事では、春のお彼岸の日です。先祖が住む、向こう側の世界は、西方に
あると考えられていて、この日は太陽が真西に沈むのでそれを道しるべに
先祖の供養をしたら間違いがない、という有難い日です。

日本国民の祝日でもあり、、「自然をたたえ、生物をいつくしむ」と「国民の
祝日に関する法律」で定められています。ちなみに秋分の日は、「祖先を
うやまい、無くなった人々をしのぶ」です。

また、種まきの時期でもあり、豊かな収穫を祈って春祭りに励む日であり
ます。

私としては、今年の春分の日は牡丹餅でもこさえて、月でも眺めながら、
不思議で素敵な物語を捏造してみようかな、なんて考えています。うまく
できたら今度のメール当番のときにそっと書いてみます。
         (筆/“kuma28”)
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■花見の詳細です■
みなさん是非ご参加ください。
大まかの人数把握のため、参加のかた、早めに連絡ください。
津市栄町の四天王幼稚園は、この3月で最後の卒園式。
なにかと、かまどの会と仲良くして頂いて嬉しい限りです。
寂しくもありますが、お寺が無くなってしまうわけではなく、
今後ともよろしくお願いします。
で、今年の二次会はどうなんでしょうね、倉島さん!?(笑)
そうそう、こんな記事が某C日新聞地元版にありましたので
こっそりUPしました!服部さんかっこいい!
http://gogatukikaku.web.fc2.com/0703hattori.htm

以下、四天王寺さんからの案内です!

<会費>
     大人2000円 *子供は無料
<企画>
今回も手打ちうどんに挑戦したいと思います。
うどんにのせる具・美味しい食べ方などアイデアありましたらご協力ください。
また、本堂にて音楽の夕べを開催、お酒と音に酔いしれましょう

<時間> 
     13時頃~集合
     14時からうどん打ち・調理開始
     15時お花見・宴会スタート
     18時本堂コンサート
     19時片付け解散
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# by uneme_tayuu | 2007-03-21 17:35 | 暮らし暦 | Comments(0)

雛の日

「雛の日や けふ生まれしわれ 子供好き」

祖母が、生前に読んだ句だ。
子供が好きで、若かりし頃は東京で幼稚園の先生をしていたという。
そのころ身についた習慣は、田舎に戻ってからも抜けることなく
外出時には片肌脱いで襟化粧をし、顔に紅おしろい、髪はふっくら結い上げて
田舎仕事をしている人々をよそに颯爽と自転車で走り回っていたという。
その頃とてもモダンな人だったらしい
その印象と
子供好きな一面はなかなか繋がらなかったのだが
ぼんやりとわかったことが、昨日一つ。

”子供好きというよりは子供に好かれてしまうのだ。”

随分と昔、
弾かなくなったオルガンを持っていってあげたらたいそう喜んで
暇をみつけては弾いていた。
折り紙も好きだった。風船、クス玉、千羽鶴。
新聞の折込広告の色が織り込まれたそれらはとてもきれいで上手かった。
子供の好きなお菓子も大好きだった。
姉にチョコレートを与えすぎて「味噌っ歯になった」と母になじられたりもしていたが
意に介さず。
プリンや寒天の水菓子はいつも(自分のために?)常備されていた。
四季折々の行事を暮らしに取りいれ楽しむことも好きだった。
晩年は豊富な語彙を活かし、句作に勤しんだ。

子供は仲間を見つける天才だから
祖母は子供達に見つけられ、祖母もまた近づいてくる子供達を愛したのだろう。

頑固で、男勝りで、筋の通らないことは大嫌い。
そのくせ、無垢で、無邪気で、欲少なで
花鳥風月を愛でる心は、野の雑草にまで及ぶたおやかさ。
死ぬまでそんな心を持ち続けた。


お婆ちゃん子だった私は、昔からそっくり!と言われてきたが、
不思議と子供に好かれること以外
まだまだ至らないことが多く、
「雛の日」に改めて故人を偲び、我を想う。
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# by uneme_tayuu | 2007-03-03 22:37 | | Comments(2)

ものを大切にする心

竈の会と称し、大勢の人間が集まることが
いいことばかりのはずはない。

たとえばこんなことだって起こりうる。
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フードコーディネーターヨウコさんから預かった大切な羽釜に
ゆがんで開いた小さな穴。
誰かが、空焚きしてしまったのだ!
使い物にならなくなった羽釜は
私が気がついたときには既に竈の第一線から追いやられ
傷ついたからだで悲しそうに横たわっていた。

その姿をみて私が思い出したものは
「ふらいぱんじいさん」
どうかこのまま棄てられずに
この羽釜にも、また新たな活躍の場が見つかりますように。


そして、こちら勝手口の引き戸。
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誰かが、錠が引っかかったまま無理やり開けようとしたのだ。
引きずられ、大きく破れた障子紙。

障子紙だからまた張り替えればすむ。
引き戸は、羽釜のように第二の人生を考えなくて済むとはいうものの
傷ついた姿はやっぱり哀れ。

ものを大事にする心
もう一度考え直したい今日この頃。
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# by uneme_tayuu | 2007-02-19 16:03 | かまど雑記 | Comments(16)

小さな贈り物

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1月の竈の会のときのこと。
いつも遊びに来てくれるハルヤが私にハイと手渡してくれたもの。
"数珠玉"
それは、実は、私が常々探そうと思っていたものだった。

去年のあるお稽古の日、お花の師範も兼ねているお茶の先生が
「花展に使いたいんだけど、この頃どこを歩いていてもみつからないのよね。」
そう嘆いていたのを聞いてから。
忘れていた数珠玉の姿かたちを思い出しながら、
「竈の家の辺りにならまだあるかも知れない。探してみよう!」
秘かにそう思ったのだった。

私の心を読んでいたかのように、小さな両手のひらに散らばったいくつかの数珠玉。
思わず叫び声を上げた私をみて、どこで見つけたかを得意げに話す幼い笑顔。
この子の家の近くにはまだ多くの自然が残されているので
それほど珍しいものでもないらしく、
あんな、あんな、ウチの周りにいっぱいあるんやで!
嬉しそうに続けるその口調は、そんなに早く喋ったら咳き込むのではないかと
心配してしまうほど。

小さな顔いっぱいに広がる
とっておきの笑顔に出逢えるのも、かまどの家が私にくれた贈り物。
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# by uneme_tayuu | 2007-02-12 15:40 | かまど雑記 | Comments(0)

ふたたび巡り会うまで

新春2日目の朝、通いなれた道を私は一人、車を走らせていた。
愛猫を乗せずにこの道を行くのはこれが初めてで、最後。

病院に着いて、看護婦さんが猫の存在を訊ねたが、黙ってつっ立っているだけで、すぐに状況は理解された。

玄関先で最期の報告をする最後の病院は、私のケアだった。


チョコは31日のお昼になくなりました。
独りで静かに。
前日の夜遅くまで年賀状を書いていたために寝過ごしてしまったんです。
朝、目覚めたときはすでに苦しんでいました。苦しみながらおが粉に紛れていました。
夜中もしんどいのか眠れずにじっと土間に蹲ったままだったので、抱きかかえホットカーペットに寝かせ櫛で毛を梳いてやりました。
何度も何度も梳くうちに少しずつ横になりだしたので、少しは楽になったのかと思いました。それからもまた何度も梳いてやりました。
そうしてそのまま寝入ってくれるものと思い私もいつしか休みました。
いつから苦しみだしたのかはわかりません。
抱かかえるのがよいのか、そのままにしておくのがよいのか。
見守ってあげるのがよいのか、そっと一人にしておいてあげるのがよいのか。
そんなことすらも分かりませんでした。
結果的に延命治療になってしまったこの治療を含め、
私には、結局のところ、どうすることが一番よかったのかなにも分かりませんでした。
・・・・・・・
次々と息つく間もなく懺悔を続ける私に先生は黙って頷くだけだった。
やがて一息つくと、静かにこう訊ねた。
「それで。お葬式はしたんですか?」

はい。私は一晩一緒に居たかったんですが、翌日がお正月ということで
家族に無理やり説得され、その日のうちに済ませました。
「そうですか・・。それでよかったと思いますよ。」

でも!人間の都合に合わせるように大晦日の日に亡くなるなんてあまりに可哀想で。
旅行に行くことも知っていたんです。知っていたから・・
旅行だってもう何度も止めようと思ったんです!!
私は深くこうべを垂れた。
「いえ・・、いいんですよ。」

職業柄、動物の死は日常茶飯事であろうのに、先生は真摯な態度で私の話を聞いてくれ、決して否定することはなかった。

通い始めたころは、猫の生態のことも病気のことも、何も知らない私にただ驚き呆れていた。一昔前の常識や巷説ばかりを口にする私に時々は怒りさえあらわにした。
それでも猫を思いやる気持ちは皆同じと理解してくれたのか、次第に態度は軟化し、そして最後は愛猫を亡くした私の心傷にやさしかった。
「苦しんだのは可哀想ですが、苦しんだという最期の数時間は、恐らく意識はなかったと思いますよ。」

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本当に何もしてやれなかった。
逆に教えられることばかりだった。

でも、愛しているがゆえに盲目になることもあるのです。

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*****
今はただ冥福を祈ろう。

そしていつの日にか・・

また出ておいで。もしも私を許してくれるなら。
できれば、そう、
もうあくせく働くこともなく、日がな一日縁側で日向ぼっこができるようになった頃。
幼い子供の頃のようにお前と、長い長い時間をともに過ごそう。

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安らかにおやすみ・・・。
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# by uneme_tayuu | 2007-02-04 22:15 | 愛猫 | Comments(2)