竈の家の外壁は、四方ともにそれぞれ表情が異なる。
一番荒れている西面は写真のような悲惨な状態。 修繕作業の撮影のとき、ジャッキで土台を持ち上げた箇所の すぐ裏手に当たるのだが 杉皮がめくれて下地の土壁や小舞竹が丸見えだ。 ![]() ここを見たとき、ふとどこかで見たような・・・・?と思った。 そうだ、そうなのだ。 明治村にある重要文化財「東松家住宅」と似ているのだ。 片や当時でも珍しい三階建て商家の木造住宅と、片やツシ二階の農家の住宅。 似ていると言うにはちょっとおこがましいが、 外壁に杉皮が使われているところは同じ。 ![]() 実は、数年前明治村で東松家を見たとき ムム、どこかで見たことがあるような・・・?と思ったのだった。 そのときは、まさか自分が過去に生活したことのある家の外壁とは 思いもつかなかったが、 そのときの体験は既視感ではなく、まさしく実体験だったということだね。 東松家の方は、建築当初から裕福な商家の住まいとして建てられ、三階建てながら 侘び寂びも感じられる繊細な造り。 移築時には修繕も施されているので見た目にもすっきりと美しい。 竈の家はといえば、当時よくある普通の民家。 家の裏側に当たるので、恐らく修繕など一度もされていないだろう? 建築当初から、さすが材木屋とでもいうのか、 杉皮の押さえに丸太の木皮を利用したりと上手に工夫してはいるが 侘び寂びというにはほど遠い。 今では建築基準法、消防法の規制が絡み、こんな外壁は使えないだろう。 できることならここも美しく直してみたいものだ。 #
by uneme_tayuu
| 2006-08-05 23:58
| 竈の家紹介
|
Comments(2)
先週、偶然に見つけた茗荷の花。
![]() 「ミョウガ買い忘れたけど、どっかその辺にあるんじゃない?」 呼応するように 「さっきその辺で見かけたけど・・。」 そんな何気ない会話に私の方が驚いた。 夏といえばミョウガ、というくらい好きなのに、スーパーでパックになって売られているミョウガしか知らなかった。 そういえば、この庭には日本の薬草がいくつか、栽培されるでなく、育っている。 「山椒」、「紫蘇」、「月桂樹」、「山茶花」、「金柑」、「柿」・・・ まだまだ他にあるかもしれない。 これもまた日本人の知恵なのだね。 #
by uneme_tayuu
| 2006-07-29 18:26
| 竈の家紹介
|
Comments(6)
竈の家に嬉しいプレゼントがあった。
それはなんと「羽釜」。 竈フードコーディネーターヨウコさんが、ご実家にあった羽釜を、年に一度くらいしか使わないからと言って、蔵からわざわざ出して、竈の会のために届けてくれたのだ。 プレゼントといっても頂きものではない。大切な預かりものだ。 どきどきしながら羽釜受け渡し式が、かつ厳かに行なわれた。 見るからに大きな羽釜は、二升は軽く炊けるという大きさ。竈の家にもとからあった羽釜と比べると大人と子供くらい大きさが違う。蓋の重みもずっしり重厚だ。 ![]() そんなことだから、いざ釜に据えようとすると当然のように、竈の釜の輪っかと大きさと合わない。 が、そこはわれらサバイバル派人間。 いつものように「なんとかなるだろう」のもとなんの心配もなく料理仕度は始まった。 そうなのだ。 今までだって、従前使用されてきた羽釜に小さな穴があって使えないと知ると、ハソリ釜や別の釜でご飯を炊いたり、その都度工夫を凝らしてきた。 今回も、石垣島から届いた新商品「ゴーヤ珈琲」の試飲がしたいとなると、キッチンペーパーで豆を漉したり、自然に近い生活を疑似体験していると有り合わせの物で足りないものを補う生活の知恵が身につくものらしい。 いまどきのマニュアル人間にはない応用力をみなが持ち合わせているから頼もしい。 そしてもう一つ、今回はテーブルのプレゼントもあった。 ![]() 古いものを粗末にせず大切に再利用してきた昔の人の知恵がここでも自然と生きている。 通り土間に置かれたテーブルに並べられた料理の数々を見ていたら このまま「美味しい!」だけで終わってしまうのが もったいないくらいに思えてきた。 レシピを集めて「竈で炊くご飯集」などにまとめられないか? 新たな構想も沸いてくる。 そうした企画を通じて、少しでも 「健康的で自然にやさしい昔ながらの生活スタイル、 自然との共生を考えることができ、 竈のある暮らしを楽しめる人たちとの輪を広げていく。」という 会の趣旨に共感できる人の輪が広がっていくことができたなら、この上なく幸せになれるかも知れない。 ![]() ![]() 以上のように、今回も楽しい会は無事終了したのでした。 #
by uneme_tayuu
| 2006-07-24 13:36
| かまど通信
|
Comments(8)
郵便物を出すために近所の郵便局まで赴くと
「えっ、もうそんな季節?」 不意を突かれたような気持ちになった。 気になってその足で竈の家まで向かった。 ああ、やはり!いつの間にかそんな季節だったのだ。 確かに、ここ数日、空気が揺れるように暑い。 その熱い空気の中、その花は元気よく咲いていた。 その花。黄色いカンナは、 竈の家では、紫陽花のある表玄関とは反対側の敷地境界線を飾っている。 ![]() 二年前まで水田だった南隣の敷地は1メートル以上も高く嵩上げされ 味気ないプレハブ住宅に様変わりしてしまったが カンナはそんなことはお構いなしだ。 陽の光を遮られようが遮られまいが、畦道があろうとなかろうと、 水路が土からU字溝に変わったときもお構いなしだったように 周囲の状況など気にもせずに、夏がくれば太陽に向かって花開く。 ずっとずっと、カンナは黄色い色をしていると思っていた。 松任谷由実が「カンナ8号線」を歌ったとき、その歌詞を聴いて不満に思った。 「なんで黄色いカンナが燃えるのよ!」 腑に落ちなかった。 それからしばらくして、花の色は赤もあればオレンジもピンクもあると知ったが 一番美しい色は黄色だと、その頃から思っている。 美しい黄色、太陽の光がよく似合う美しい色。 ああ、そうか!そういうことか!! 黄色も燃える色だからだ! 温度が高いと、火は赤から黄色に変化する。 「燃えて揺れてた」と表現されていたのは あるいは黄色いカンナのことだったのかもしれないな・・。 今にして思えば、 燃える色が「赤」と思い込んでいたのは私の浅はかさだったのだ。 *** 去年の夏、棟梁に「この花がお気に入り」と言ったら、 ワークショップで使う雑木の枝の収集作業をしながら、周囲に生い茂る草を さりげなく刈ってくれたように、 今年もまた誰か、花を愛でる人が現われて 美しく引き立つ状態に戻してくれないかと思う。 なんといっても3週間ぶりに訪れた家の雑草のすごさといったら・・・・まったく・・。 私はしばし言葉を失い、立ちすくんでしまったのだから。 #
by uneme_tayuu
| 2006-07-15 09:13
| かまど雑記
|
Comments(4)
本日写真撮影会。
愛猫の最近お気に入りの場所といえば・・・ここ。 ![]() どうやら、デジカメの揺れる紐が気になるようで ![]() 散々動きまわって ![]() やっと射止めた獲物を見る目は、こんなに鋭くもある! ![]() *** 2年前の今夜、闇の中にうごめくその気配に運命を感じ、 連れて戻ることを決意した。 餌付けの間には何匹もの猫が公園や道端に姿を現したが 心が動いたのはこの猫だけだった。 日が変わりかける直前に捕まえた猫。 それでもいざとなると、この子の運命を変える恐ろしさに躊躇した私の 背中を押してくれた人に感謝する日でもある。 #
by uneme_tayuu
| 2006-07-12 09:25
| 愛猫
|
Comments(2)
|
カテゴリ
以前の記事
2023年 11月
2023年 10月 2023年 09月 2023年 08月 2023年 07月 2023年 06月 2023年 05月 2023年 04月 2023年 03月 2023年 02月 more... りんく
最新のコメント
最新のトラックバック
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||