人気ブログランキング | 話題のタグを見る

夏至号 -今日は旧暦 5月8日です-

夏至とは「日長きこと至る(きわまる)」という意味。
つまり「1年で最も昼の時間が長い日」とされています。
これは太陽が最も北(北回帰線)に位置することによって起きる
現象で、太陽高度が最も高くなる夏至を過ぎると、本格的な夏が
始まる・・・という訳です。

*
太陽高度といえば、思い出すのが小学校の理科の授業でやった観測。
透明な半球型の観測器(?)を校庭に置き、時間ごとに太陽の位置
を記していく、というものでした。

照りつける太陽の下、校庭の片隅に置いた透明な球体を覗き込んで
印をつける・・・
地味な作業でありながら、太陽の位置をつなげるときれいな曲線を
描き、半球の頂点に来るのが面白かったこと、
そして“透明半球”の形と質感が妙に印象に残っています。

「今、自分はこうして透明半球に印をつけているけれど、
実はこの地球に大きな透明半球がかぶせられていて、大きな誰かが
覗き込んでいるんじゃないんだろうか?」と想像し、ひとりでSF
チックな気分になっていたものです。

*
夏至の頃の太陽は、頭の真上から強い陽射しを浴びせます。
そんな太陽を見上げる時、大きな透明半球から覗く誰かと目が合う
んじゃないか、と大人になった今も思うことがあります。

*
暦どおり、夏のような暑さが続く今日この頃。
晴れた日は帽子を忘れずに。みなさまお身体ご自愛くださいませ。

今回の暦メールは yokoが担当しました。

----------------------------
■映画『Watch with Me ~卒業写真~』の割引チケットあります■

地元三重県出身の瀬木直貴監督の最新作です。
3年前には出身地である四日市市を舞台にした映画『いずれの森か青き
海』を発表し、市内でも随分と話題になりました。
地域コミュニティをモチーフにした作品に定評のある映画監督です。

新作『Watch with Me ~卒業写真~』は6月9日から全国公開されていて
三重県内では
* 7月14日 ~ 四日市中映シネマックス(四日市市)
* 8月14日 ~ 大門シネマ(津市)
で上映の予定です。
その他の地域の方は、申し訳ないですが、下記公式サイトにて確認して
ください。

通常の1,800円のところ1,000円で観ることのできるチケットです。
レイトショー、レディースディなどのサービスと違って、いつでもどの
映画館でもご利用いただけます。

◆ 映画 [Watch with Me~卒業写真~]公式サイト ◆
   http://www.sotsugyo-mov.jp/
◆ 瀬木直貴監督のオフィシャルサイト ◆
   http://soul-boat.com/index.html

チケットのご用命はかまど管理人まで。


----------------------------
■6/24(日)Oさんちの三和土(タタキ)!(大紀町)■

先日もお伝えしましたが、和歌山県龍神村(田辺市)の左官、
Kさんの指導のもと、工事中のOさんのアトリエの土間
の三和土(たたき)を施工します!
「三和土」とは、土に、石灰と苦汁をまぜ、固めたもので、私
があれこれ説明するより、面白いサイトがありましたので、こ
ちらを参考にされたほうがいいかと思います。
佐賀県で、施工されたものの記録です。
http://www.qr.minka.gr.jp/j24tataki.html

さあ、みんなでたたき棒をつくってみんなで叩こうと思います。
パシパシ!
★建築関係の人にお願い!
あれば、檜の二寸角くらいの切れ端をいくらか持ってきてください。

詳しくは、問い合わせください。
参加のかた、何かしらの方法で連絡ください!
ここ に返信でもOKです。
# by uneme_tayuu | 2007-06-22 15:36 | 暮らし暦 | Comments(0)

もぎたての梅

もぎたての梅_f0044728_10461382.jpg

観賞用の庭木になっていた梅。
色も肌もつややかに美しいのに
じっくりと手にとって見たのは初めてかもしれない。

畑でとれた梅と合わせると20㎏近く収穫できた。
梅林も切り倒され、庭と畑の一部に残るだけの梅の木でこれだけ取れるとは!
軽い驚きを禁じえない。

初めての作業には多すぎる量なので
いろんな人に少しずつおすそ分けし
残りの梅を3.5㎏、3kg、2kg、1.5kgと
それぞれに梅酒、梅ジュース、梅干用とほぼ一日がかりで選別した。

もぎたての梅_f0044728_1046274.jpg

訪れたお客さんが、ままごとみたいな私の作業に
「昔は毎年50kgずつ漬けたもんや」と笑っていた。
軽く受け流しながらも
昔の人の働きに頭の下がる思いがする。


利便性だけが追求され、出来合いのものが当たり前に流通する昨今。
こんな豊かな自然の恵みを今日まで放ったらかしにしていた自分に
少し嫌気が差しもしたが、
目覚めさせてくれたのは「竈の家」と「竈の会」と「御婆ちゃん」。

飲み頃、食べ頃になったとき
そんな話題で盛り上がれる仲間のいることが、今の幸せに繋がっているのだなぁ。
# by uneme_tayuu | 2007-06-18 10:55 | かまど雑記 | Comments(2)

芒種号 -今日は旧暦 4月21日です-

いつも通る裏道の農道。麦が稔り、畑全体が濃い黄金色に美しく
輝いていた。なぜだか小学校の帰り道の麦畑の風景を昨日のよう
に思い出した。春の明るい日差し、むせ返るような青い麦畑。
それ以上の記憶をたぐったけれど線につながらない。あの麦畑の
場所、今はどうなっているのだろうか。

できる限り安心できて環境に優しい食べ物を買おうと心がけてい
るが、大好きな納豆、卵、豆腐、醤油でさえ、輸入の穀物に頼ら
なければ全ての人に行き渡らない現実。生活は便利で快適になっ
たけど、なにか手が届かないようなもどかしい不安をを覚える。

小学生のころ日本の農業技術は世界一と習いました。あれから約
40年。何をどうしたらこうなるのか、世界の経済がこのまま発
展し、快適便利な生活を享受する人が増えれば(それはそれとし
て良いことと思う)私の大好きな卵かけご飯は、玉子と醤油ぬき
になってしまうかも。ああ。

飼料用の米の栽培を始めたとニュースでやっていました。国産木材の
自給率は約20%、使いたい人は増えてきたが、供給面から言えば5
年後に25%にするのがせいぜいのところでしょう。飼料用の米の話、
木材と違い量的に実効性のある方策であることを祈るばかりです。

ぐだぐだ不平不安を書いていてもしょうがないのでこのあたりで
やめときます。続きは次回のかまどの会でやりたいので、お暇で
ど~しようもない人は私の相手をしてチョ~ダイ。

さて、今日は、芒種(ぼうしゅ)。
「芒(のぎ)ある穀類、稼種する時なり(暦便覧)。」
稲の穂先のように芒(とげのようなもの)のある穀物の種まきをする
頃という意味だそうです。

以前の穀雨号にありましたが、昔の田植えは6月にしていたという
ことでしたね。芒種の頃に籾を蒔いていたのでしょうか。(二十四
節気は、黄河文明の中で発明されたので、日本の気候とは多少ずれ
があるかもしれませんね。それにかの地ではその頃はアワが主食で、
輪作で冬に麦を植えていたそうです。)

ここで提案したいのですが、かまどの会にお年寄りをお招きして昔
の暮らしについてお話を聞かせていただくというのはいかがでしょ
うか。以前私の山小屋の地主さんのおじいさんに昔の山のこと、林
業のことを聞かせていただき、とても参考になりました。

                  by kuma28

------------------------------
かまどの会は、今週末6月10日です。
草刈、掃除、修繕などに汗を流して、冷奴を肴にぐびぐびや
りましょう。詳しくはかまどブログでどうぞ。

------------------------------
大吉日、新築造作、結婚、祝事、土地買入れ、衣類の仕立、
掛合事、普請吉なり
# by uneme_tayuu | 2007-06-06 10:19 | 暮らし暦 | Comments(0)

小満号 -今日は旧暦 4月5日です-

皆さんは、和綿の種というものをご覧になったことがありますか?
私は今年ある人から頂く機会を得て、生まれて初めて和綿の種を
手にました。

「和綿の種って欲しい?」
それまで、綿の種を想像したことすらなかった私は、そんなメールに
ちょっと戸惑い、
そして次に、大地に仁王立ちするスカーレット・オハラを想像しました。
ああ、南部では綿花栽培が盛んだったっけ・・。

しかし、送られてきたそれは、連想するイメージとは驚くほど違って
本当にやわらかな真綿そのものでした。
そして種はその真綿に、とてもとても大切なものとして、しっかりと包まれて
いたのです。
手にした綿の種にちょっぴりうるうる、初めて見る感動の瞬間でした。

そんな私を知ってか知らずか、
かの人は言いました。

“家も食べ物もそうだけど、着ているものが何からどう作られているのか
今は分からなくなっているからね。“


今日、小満は、万物が次第に成長して、天地に満ち始めるという意味です。
庭でも山野でも、植物が実を結ぶために花を咲かせていますね。
畑では麦の穂が黄金色に色づき始め、
水田ではまだか弱そうに見える稲が、しっかり大地に根を張ろうとしています。
私の和綿も立派に成長してくれるとよいのですが・・・。

                       by かまど管理人

---------------------------
■ 6月竈の会(定例会)のお知らせ ■

贅沢な食材に囲まれていた最近の竈の会ですが、この度会の運営方針を
改めることにしました。それに伴い、会の進行や参加費なども変更します。
これもひとえにかまどの家を気軽に楽しんでいただきたいという
スタッフの想いからです。
どうかご理解くださいますように。

【日 時】  平成19年 6月10日(日) 
       朝から夜まで終日オープン(8:00~22:00)
       お好きな時間にお越しください。
【場 所】  竈の家
【会 費】  参加費500円+強制ではないですが差入れ
【差 入】  アルコール類以外
       野菜、果物、デザート、漬物などほんの少量でかまいません
       調理品、半調理品なども大歓迎です
【定 員】  特に定めず
【道 具】  厚鎌、鋸、草刈機をお持ちでしたらお貸しください

≪暮らしを楽しむ竈の家≫
定例会の日、かまどの家は、朝8時ごろオープンいたします。
昼食は、原点に戻って、おにぎりとお味噌汁。
詳細はその場で決めてその日に買出し、事前準備なしです。
飲み物のアルコール類も、当面は準備を控えることにしました。
飲みたい人は持ち込みOKですので、自前で調達してください。
但し、飲んだら運転しないことを徹底してください。
昼食までの空いた時間、或いは食後の空いた時間で、家を夏仕様に衣替え
します。参加される方はご協力ください。
それ以外はどんな過ごし方をされても自由。
夜まで、時間の許す限り、好きなことをしてゆっくりとお過ごしください。
スタッフはこれから皆さんと一緒に楽しめることを(例えば、和綿の栽培?
有機野菜栽培、梅干・梅酒造り等)
少しずつ考えていくつもりです。

---------------------------
伝統技術に触れ普段のくらしを見直そう!!
 ■6月24日 「三和土(たたき)ワークショップ」■

むかしの家の土間、土なのになんだか固い、それが三和土(たたき)。
土・石灰・にがりの三つを混ぜあわせトントン叩いてゆきます。
土間以外にもお寺の基壇・相撲の土俵にも使われてきました。
最近はセメントや科学物質入りのまがい物におされて、あまり施工されること
がありません。
でも、ほんとの三和土は歩いても頭に響かず、地熱をやわらかく伝え、室内の
湿度を調節してくれるのです。
今回は四月末に壁付け作業を行った大紀町のOさんのアトリエにて、ふたた
び龍神村より左官職を迎え、三和土のワークショップを行いたいと思います。

なお、「おまけ」として、築250年・権太夫屋敷、古民家再生・ギャラリー
上野屋、荒壁・中塗り仕上げの陶芸家の家、の見学を行います。
それぞれ希望者別に現地に向かいます。

{建築関係の方にお願い}
二寸または一・八寸角桧材・長さ一尺五寸程度・のこぎり・のみ・かんなをお
持ちください。叩き棒を自作しましょう。

★Oさんの方でお弁当は用意したいとのことです。
人数把握のため、参加ご希望のかたは、ご連絡ください。
その際「かまどメールを見た」と言っていただけるとわかりやすいです。

<予定(小雨決行)>
日 時  平成19年6月24日(日)
場 所  度会郡大紀町崎
集 合  八時半頃より随時
   (42号線「沼ケ野」交差点左折した辺りで集合、迎えにゆきます)
# by uneme_tayuu | 2007-05-21 08:59 | 暮らし暦 | Comments(0)

梅酒の古酒

梅酒の古酒_f0044728_15482669.jpg
梅酒の古酒_f0044728_1684570.jpg









2年ほど掃除を続けているが、まだまだ手付かずのところも多い古家。
一人でたまの休みに出向くだけでは追いつかないのが現状だ。
そんな中で一念発起して
新たに手を入れ掃除した箇所で見つけたのがこの古酒、梅酒。

祖母が生前に造った自家製だ。
記された日付は平成3年9月30日なので
おおよそ16年前のもの。

仕掛けた仕事の手を休め
栓を開けると、ふわっとやわらかく匂う梅の香。
ガラスの器に注いでみると
琥珀色に輝く色艶が得も言われずに美しい。
恐る恐る口に含んでみると
16年間熟成させた梅酒は、お酒というよりは
ブランデーに近いコクとまろやかさを備えていた。
原材料の梅はといえば、もちろん家の梅林で取れたものであり、
一粒一粒大切に手でもいだものだ。

祖母が居なくなり、川沿いの梅林もいつしかアパートに変り、
毎年の決まりごとだった梅干づくりも梅酒造りもしなくなってしまった昨今だが
こうして深い香りと熟成された味わいをお楽しんでいると
もう一度昔に戻って手造りしてみたいと思えてくるから不思議だ。
# by uneme_tayuu | 2007-05-15 17:32 | かまど雑記 | Comments(2)