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心配したとおり雨の音で目覚めた朝。
「朝一番でかまどに行くから」ときのう電話でしゃべっていたメンバーからは「出発遅れた」とメールが入り、なんとなく淋しげに始まるのかと思った。 でも、そのまま沈みこんではいられない。 すぐに気を取り直し、 「飲み始める3時間位前にセットして」と酒屋さんに言われたとおり 生ビールのサーバーをセットするために、少し早めにかまどの家に出向く。 久しぶりの雨戸を開けると、またもや恨めしげな激しい雨の音! ああ嫌だ、せっかくの日なのに!! それでも明るくなった部屋に食卓用の机を並べたり、竈に積もった埃を払ったり、土間を掃除したりしていると、だんだんと気分が乗ってくる。 今日はここに久しぶりに人が集まるんだ! タイミングよく最初の一陣がやってきた。 「あれっまだ誰も来とらんの?」「まー寒いでよ早よ火をおこそに」陽気な声とともにすぐにかまどに火が熾る。「ビール?いいじゃんもうやっちゃおーよ!」これまた手順よくすぐに皆の喉にビールが流れ込む。 そうしているうちに携帯電話が鳴りだし、順に人が増えだす。出遅れたメンバーも到着。 前回泣く泣く不参加だったフードコーディネーターも到着。 ここまでくれば心配はなにもなし。 自然と竈の火加減を見る人、お米を磨ぐ人、野菜を切る人ができてくる。会費を徴収してくれる人もいる。もちろん何もせず炬燵でまるくまって居る人もできてくる。でも誰も文句を言わないし、何も強制などしない。それぞれが思い思いのことをしながら、自然と役割分担ができて、その動きがひとつになってお昼のご飯ができあがる。 私はこの自由さ加減が好きだ。 初めて参加した人でも竈の番を任されちゃんと美味しいご飯が炊ける。 座敷でしゃべるだけの人たちだって目の前にお櫃が置かれれば自然とおにぎりを握るし、土間に七輪とイカ・しいたけが用意されれば土間に居る人たちの中で焼く人が出てくる。 こうして思い思いだけど協力し合って出来たご飯をみんなでいただくというのは本当に美味しい。昨日まで知らぬ同士だった相手ともすぐ仲良くなれるという利点までついてくる。 一瞬にして「同じ釜の飯を食った」もうみんな仲間なのだ。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 食事が終わっても宴は続く。竈で、流しで、土間で、座敷で、炬燵で、そこかしこで話し声や笑い声が聞こえる。いつの間にか雨も上がり、というかもうすっかり雨のことなんて忘れていた。一日が夢中で過ぎていた。 気がつけば夜だ。 そういえば一人、一人順番に去っていったな。それぞれに今日であえたことを感謝し、また会う約束をして。 最後に戸を閉めるときはやっぱりちょっと物悲しい。 でも今日は終わっても、同じ気持ちを持つ人たちの輪が確実にひろがった。また次、そしてまたその次。緩やかだけど会を続ける限りその輪は広がっていく。 多分、もう、この会はやめられない。 ■
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by uneme_tayuu
| 2006-02-26 23:57
| かまど通信
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Comments(6)
几帳面に綴った昨年の手帳を取り出してきて、一周年記念をやらねば!と叫んでいたのはいったい誰だったのか?
過ぎてしまえば、熱さ忘れる(?)「かまど記念日」 主をなくした「かまどの家」に、数年ぶりに「火」が入ったのが、昨年の2月13日。 何気に読んだ怪しい大工風ブログでふと我に返る。 ■
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by uneme_tayuu
| 2006-02-16 22:49
| かまど雑記
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Comments(3)
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