旧暦端午の節句竈の会
新暦6月8日、13回目の「竈の会」がありました。
その日は母の調子が悪かったため、少し遅れて到着すると、 既に3台ほど車が止まっていて、ブルンブルンと威勢よく草刈機が回っていました。 その影から見え隠れする数人はいつもの顔なじみ。 「やあ!いらっしゃい。」と声をかけるその感じは、どちらが主人でも客でもない といった雰囲気で、恵まれたお天気と刈り取られた草の匂いが、初夏を感じさせる 爽やかな会の始まりとなりました。 遅れじと取り掛かった家掃除は、先週仲間(大工も施主も)の建前があって、数日前まで泊り客がたむろしていたとはいえ、掃除までは行き届かず、と言うよりか多少人為的に 増殖したゴミと、隙間から入り込んだ塵あくたの混合物で、 それらが手を動かすほどに姿を消すことに魅了されて、気がついたときはお昼時間をもう随分とすぎた時刻でした。 急いで取り掛かった昼食は恒例の『かまど握り飯』。 差入れのちりめんじゃこや鮭かまを混ぜたご飯が、子供たちのアイデアでユニークな形に変身。キャベツの味噌スープと共に遅めの昼食を実に美味しく頂くことができました。 至福の昼食後のひと時は、思い思いの場所で薫風に身をまかせるとともに、初めての顔といつもの顔の語らいのときでもありました。 と、誰が言い出したのでしょう。私でしたか・・?陽気な六月の風(気分は5月5日です)に誘われて近くの史跡『采女城跡』まで行くことに・・。 * 今回の収穫は、まさにその後、全行程1時間余の散策から戻ってきたときのことです。 なんと、今のいままで、かろうじて瓦をのせて容姿を保っているといった 半分空を見せつつ朽ちていた軒先が、見事に修復されていたのです。 草刈の合間に、今回初参加の瓦職人さんが、家の周りを何周もしながら、屋根を見上げたり、のぼったり、というのは見ていました。 「直さなあかんけど、お金かけたくないやろ?」そんなことを言われてうんうん頷いていたのも数時間前です。まず軒の修理計画をたてなきゃね!とその時まで話をしていたのに、この手際のよさはなに!? 「そこらへんにある材料で応急的に直しただけやけど、これで一年はもつやろ。」 確かに使われた材料は、野地板も垂木も新しいものはなにもなく、転がっていた端材でした。「仲間うちに材木屋さんが居らんでなー。」「材木屋さんも仲間に取り込まないかんよな-。」 そんなからかいの言葉に返す言葉も見つからず、修繕、修繕と口にするだけの私が ひとたまりもなくやっつけられた瞬間です。 しかし、それは同時に、面目丸つぶれの私が仲間とは尊いものと、その有り難みを今更 ながらにかみ締めた瞬間でもあったわけで、今回は久しぶりに修繕の進んだ「竈の会」 であったのです。 * さてさて、話はそこで終わりではありません。会はその後も続きます。 夜まで続きます。 暗くなるまで子供より大人の楽しんだ竹とんぼ作り。 私は、その間、茶の間の箪笥から見つけた古い賞状に見入っていました。 そして、これも恒例になりつつある餃子の競演といった夕飯。 少しずつ人数が減り静かになりつつも終わらない長い夜の始まり。 心地よい疲れが体中を駆け巡ったその時、朝一人残してきた母から電話のベルが鳴りました。 さあ、残念ながら私はここで帰ります。 後に残された者たちのその後がどんな様子だったかは知る由もないのですが、夜更けてからの客もあってまた大いに盛り上がったとか。 なんにしても楽しく長い一日の終わり。 最後は愛車サバンナくんが軽快な音を立てて私を家まで送ってくれました。 ------------------------------- 今回参加していただいた皆さん、ありがとうございました。 参加できなかった皆さん、ぜひ次回に。 緩やかなネットワークで繋がりながらも、時には、もっと広く、深く、地域を超え 世代を超えた人と人の交流、文化の継承に役立てないかということを、この頃は 考えたりもしている采女大夫です。
by uneme_tayuu
| 2008-06-11 16:45
| かまどの会
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