【芒種】
芒種の「芒」は「のぎ」と読み、稲の穂先にある針のような突起を指し、芒種は稲などの芒のある植物の種を蒔く時期のことだそうです。
5月上旬のある日の夜中、夜更かしをしていると、裏庭の方で何やらカサカサと音がします。ずっと以前ですが不審者が裏庭に入ってきたことがありましたので、まさかと思いつつ電気を点けずにそっと窓辺に近寄り、外の暗闇に目を凝らしていると、すぐそこに見えているさくらんぼの木とそれに掛けてある鳥除けの網がユサユサと揺れています。風は吹いてないはず……? とさらに目を凝らしていると、その網の上になにやら黒いシルエットが。
3年程前には、庭の柿の木にアライグマがやってきたことがありましたので、またかと思い窓を開けて懐中電灯を照らしてみると、どうもアライグマではないようです。夜中に暗闇で行動しているのだから夜行性の動物のはずなのですが、光に驚いて逃げるかと思いきやジッとこちらを見つめ、さらに照らし続けていると、なんと声をあげて私を威嚇してくるのです。こちらも負けじと「ガーッッッ!」と声を出して威嚇してみましたが(笑)それでも逃げません。
逃げないのならば写真に撮れるかもと思い、スマホを取りに行き、戻ってきてみるとやはりその場から動いていませんでしたので、懐中電灯の明かりとスマホカメラの望遠で、何の動物なのか判別できそうな程度には撮影することが出来ました。
撮影後、どうしたものかと考えたのですが、せっかく出来たさくらんぼを荒らされては困るのでやはり追い払うことにし、裏庭に下りて懐中電灯の光を点滅モードにして照らしたらようやく驚いてくれたようで、木から下りてどこかへ逃げていきました。
翌朝家族に「何かが出た」と写真を見せながら報告したのですが、それが何なのかは誰もわからず、大きさや体型はイタチのようなのですが、イタチならすぐ逃げるだろうし…と結局その場はわからずじまい。
数日後、NHKの「ダーウィンが来た!」を観ていると、なんとそいつの姿が!それは「ハクビシン」でした。
タヌキやアライグマは近所のあちこちで目撃情報がありますし、自分自身も庭で見たことがあるのですが、ハクビシンはお初です。どこから来たのか、どこに住みついているのか。アライグマは農作物を荒らしたりするけれど、ハクビシンはどうなのか。特に動物好きでも動物嫌いでもない私、出来ればうちの果樹や畑を荒らすようなことはしないでね、とただ願うばかりです。
千鶴子