【小寒】
小寒は「寒の入り」とも言われ、これを境に寒さが最も厳しい時期に入ります。
年末年始の休暇はわずか一週間足らずなのに、正月明け初出勤時の寒さが身に応えるのは、だらけきった休みの過ごし方のせいだけではないようです。
1月7日の朝は七草がゆ。無病息災を願い、春の七草(せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろ)を入れたおかゆは、平安時代から食べられているそうです。現代では、お正月のごちそうやお酒で疲れた胃をやすめるのにもちょうどいいとも言われていますね。
おそらく全国的にスタンダードだと思われるこの七草がゆですが、実は私の家ではその習慣がありません。
その代わりに「福煮(ふくに)」と呼ばれるものを食べます。ご飯を炊く時に、お餅ともち菜(小松菜)と塩を少々入れて炊くのです。炊き上がりはそのまんま「やわらかいお餅が混ざったご飯」で、お茶碗によそって食べます。少し塩気があるので、おかずなしでそのまま食べられます。
母の実家は同じ地域の少し離れた集落にありましたが、そちらには福煮という習慣はなく、この家に嫁いできて初めて知ったそうです。(ちなみに母の実家では七草がゆの習慣もなく、7日は通常通りの朝食だったとか。)近所の同級生の家でも福煮は作るということですので、ここの集落だけに限られた習慣なのかもしれません。
年中行事の関係で、うちは年に3回は餅をつきます。餅があるので、お雑煮や焼き餅もお正月に限らず、年に何回でも食べます。しかしこの福煮は本当に年1回、1月7日にしか作りません。
これって結構すごいことなのかも? そう思うと、今年の福煮はいつにも増して楽しみになるのでした。
千鶴子