立秋号 -今日は旧暦 7月 8日です-長かった梅雨が明けて夏本番がやって来たと思っていたところ、「立秋」号の原稿依頼をいただき、近年の気象の不安定さと、過ぎ去る時間の早さに少々驚いている今日このごろです。気づけば夕暮れの風が心なしか涼しく、かすかに秋の気配が感じられる瞬間もあります。
さて、私は仕事上のフィールドが岐阜県であることから、先月13日、郡上市の「郡上おどり」に行ってきました。7月中旬から9月上旬にかけて30夜以上にわたって行われる郡上おどり。今年は私が出かけて行った日が初日でしたが、あいにくの雨で、私や友達は1時間弱で踊りの輪からあえなく退散・・・。それでも楽しい時間を過ごしました。地元の方々をはじめ全国各地からやって来た多くの常連さんは、雨などお構いなしに踊っていて、熱意をビシバシと感じました。
昨年、初めて郡上おどりに参加した際、郡上八幡のまちなかに店を構える下駄屋で「踊り下駄」を買いました。一般的な下駄とは歯の位置などが少し異なるものです。
店のあるじは、郡上へ移住してきた若い職人さんです。郡上おどりで踊る人たちが履く下駄は、かつては市外から調達されていました。郡上の自然と文化に魅せられたこの職人さんは、「郡上おどりの下駄を地元で作っていないのはもったいない」と、郡上の山から伐り出されたヒノキを使った踊り下駄のブランドを立ち上げたのです。
この下駄屋は、鼻緒の種類も豊富で、購入の際に自分が気に入った色や柄を選べます。足に合わせて鼻緒の締め具合も調節してくれるので、まさに「マイ踊り下駄」! それでも初めて履いた時は、踊ったり歩いたりするのに慣れず、ちょっと足指が痛くなってしまいました。それが今年は履いた瞬間からスムーズに歩けて自分でもびっくり。雨の中だったので普通の靴よりもかえって気持ちがよく、下駄が大好きになりました。
今回はすっかり水分を含んでしまったので、帰宅後に干しておいたところ、ヒノキの香りもよみがえり、またまたびっくり。自然の恵みと、職人さんの技の素晴らしさに改めて感激しました。
郡上おどりは、唄に合わせて下駄を鳴らして拍子を取るため、下駄がすり減っていきます。踊り好きな人は1シーズンで2~3足の下駄を履きつぶすそうです。私もいつかは、お気に入りの下駄を履きつぶすくらいの踊り上手になりたい(!?)です。 (紘)
by uneme_tayuu
| 2019-08-08 22:26
| 暮らし暦
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