紫陽花基金
雨上がりを待って竈の家を訪ねた。
理由は、紫陽花。 露に濡れた花びらの美しさを確かめにきた。 花咲く季節だけしか見向きもされない紫陽花は、少し痛んでやせていた。 この家がまだ主人を持っていたころ 紫陽花はもっと華やかに この季節特有の彩りを常夜灯とバス停に添えていたはず。 たとへば、こんな風に・・・ 「常夜燈 昼は紫陽花 明りかな」 常夜灯が自慢で、紫陽花が好きだった祖母は 齢七十を過ぎて始めた俳句で紫陽花と常夜灯の句をいくつか残した。 死後、従兄弟が中心となって一冊の句集にまとめたのだが、この絵はその中表紙の挿絵。 この絵のイメージが、私の中で、いつの間にか現実との乖離を起こさせていた。 *** 「旧街道 紫陽花浮きたつ 常夜燈」 「煤払う 油煙に染みし 常夜燈」 久しぶりに句集を開きながら考えた。 そうだ!基金を募ろう。その名も「紫陽花基金」!! そうして集まった基金で竈の家の玄関をこの挿絵のように紫陽花で埋め尽くすのだ! 大げさなことなどしなくていい。 ほんの少し。ほんの少しだけ! 面白い遊びを思いついた子供のように、心がはしゃぎだした。
by uneme_tayuu
| 2006-06-24 12:03
| かまど雑記
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Comments(2)
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magnolia_tree at 2006-06-24 14:53
とへさん・・・ご存命の時に一度お会いしてみたかったです。
物置の遺物から、文学好きな方だとはお察ししていましたが、 今度、ぜひ句集を拝見させてください。 紫陽花基金、賛成です! 聞くところによると、紫陽花の接ぎ木はそれほど難しくないよう です。 来年は、挿し絵(この絵も素敵です〜)のような“灯り”になる といいですね!
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uneme_tayuu at 2006-06-24 16:03
いつも早々にコメントありがとうございます。
祖母は、晩年は季寄せと国語辞典をかた時も離さないほど句作りに没頭していましたが、 若い頃東京暮らしをしていたこともあり、かなり粋なところのあった人でした。 生きていれば、尋ねたいことは山ほどあるのですが、それよりも何も、 番茶と茶菓子で四方山話。三人なんだか気が合いそうで怖いです(笑)。 紫陽花基金に賛成ありがとうございます。 magnolia_treeさんに賛成していただけると私も心強いです☆ 挿絵は私もお気に入り。 竈プロジェクトでも利用したいのですが、著作権の問題もありますよね!?
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