第5回かまどの会
雨続きのあとの、久しぶりに太陽が顔をのぞかせた爽やかな日曜日
竈の家では、木の家ネットの総会準備委員会と第5回竈の会が開催された。 準備委員会と竈の会を同時開催にするのは、東京や山梨の遠方から会議のために来る人以外、委員とかまど常連メンバーがほぼ一致するからで、 誰もが効率的であると考えたからだ。 だが、思わぬ落とし穴があった。 会議中一人もかまど番がいないではないか! 頼りにしていたメインシェフからは行けないと連絡が入っていた。 もう一人の頼れるはずのシェフも一向に現われない。朝から来るという約束だったのにどうしてだろう?と痺れを切らして電話をすると、道に迷ってたどり着けないのだと言う。 もう何度も竈の家に足を運んでいる一番の常連だというのに、だ! 火を熾すどころかまだ、買い物さえ出来ていない。 大丈夫なんだろうか?不安が頭をかすめた。 料理に口は出しても(食べる)、手は出さない(調理しない)そんな私に 管理人として危機が迫っていた。 しかも、ときは重要な会議の真っ只中だ! だが、かまどの神様は私を見捨てはしなかった。 運よくもたった一人到着していた参加者が、無類のおもてなし好きの好人物だったのだ(笑)。 彼は今回2回目の参加だが、前回同様、早くからやって来ていた。 初めのうちこそ、借りてきた猫のようにおとなしかったが、やがて頼みもしないのにあちこちと動き回り、汚れた鍋や釜を洗いなおし始めた。 湿気を含んだお櫃やお箸も洗いなおし、濡れ縁を庭の太陽のあたる場所に動かし、洗ったそれらを並べて日に当てている。 開け放たれた戸障子やガラス戸から垣間見えるそれら一連の動作は、実に軽やかで、気持ちよさげで、明るい日差しを浴びて一人だけなんだかとても楽しそうなのだ。 やがて彼は、待ちかねた遅刻シェフとお米が届くと、自ら買出しにも出かけ、本日のメニューのほとんどをあつらえ、 出来上がった料理がPCや書類に代わり机に並ぶと、感嘆の声とともに、私の冷やした肝を誰一人想像だにすることなく、「竈の会」が始まった。 徐々に人も集まり、いつもながらに楽しい時間が流れだした。 ![]() ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 今回も自分の強運を感じる一日だったように思う。 いつも人に助けられながらどうにかなっていく。 遅刻シェフが連れてきた女性とともに、ここで初めておにぎりを握るという新たな挑戦もあった。まだ会議は続けられていたが、足りない人手を補うために。 女性が二人、縁側でてきぱきと、と思いきや、どうやら彼女も料理は不得手らしく、二人して大小まちまちのおにぎりが、用意された葉蘭の上に不恰好に並べられた。 「塩加減がわからなくてすごい適当なんやけどいいかな?」私が話しかける。 「私なんか忘れたのもあるし。」 「えっ?、あっ、まぁいいわね。わからへんし。」 「でもなんだか楽しいね。」「うん。」お互い苦手者同士の親しみが沸いて、 縁側に米粒を散らばらせながら、なんとか二人で一升分のおにぎりを握りきった。 もちろん、おにぎりは好評だ。 「おこげのおにぎり美味しい!塩加減もちょうどいいし。」(笑) 彼女は4時ごろに古市場のバス停留所から30分に1本のバスに乗って埼玉へと帰っていった。また来てくれるといいと思う。 遠いところだけど「竈の家」が繋げてくれた輪は大切にしたい。 今日参加の人たちみんなのことをそう願っている。
by uneme_tayuu
| 2006-05-23 11:00
| かまど通信
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Comments(2)
何年か前、仕事や人間関係に疲れていた時分に、育った家の自分の部屋で見つけた小学校のときの作文集。おそるおそる自分のページを開いてみた。
僕の夢は、コックさんになって、みんなにおいしいものを食べさせる、なんて書いてあった。もうそんな夢をすっかり忘れてしまって、日々擦り切れる毎日を過ごしていたけど、自分の本当に好きなことが確認できて、それから少し気が楽になった。 あと5年程度で材木屋の番頭を卒業して、居酒屋でもやってのんびりすごせたらと思う今日このごろ。南飛騨の山間に住む製材所とか大工のお父さんたちに居酒屋を建ててくれと、お願いしている。寂しがりのお父さんたちの反応は、結構肯定的。正夢になったときに備えて、料理や器の勉強をしていこうと思う。 竈の会で準備とか料理をしているのは、自分を取り戻せてほんとに楽しんでます。これからも皆様よろしくお願いします。 管理人様 次回は、土間に置くテーブルを持っていきます。
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へええええ~
小学生のときの夢がコックさんだなんて素晴らしすぎますね! kumaさんのお母様はきっとお料理上手で、kumaさんはその愛情のこもった母の味で育ったんでしょうね。 肉じゃが、豆ご飯、絹さやの卵とじ、どれもとっても美味しかったです。 そうそう、黒豆も忘れてはいけませんね。 あんなにつやつやの黒豆が家庭のお鍋ででフツウに作れるとは! 感激いたしました。 味だけではなく、人柄も、イメージも、居酒屋の大将はうってつけかも ですね。 オープンの暁には、山だろうが海だろうが駆けつけますよ~! 前準備として、次回竃でもいろいろと新メニューに挑戦してくださいね。 楽しみにしています。
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