カテゴリ:かまど雑記( 10 )

もぎたての梅

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観賞用の庭木になっていた梅。
色も肌もつややかに美しいのに
じっくりと手にとって見たのは初めてかもしれない。

畑でとれた梅と合わせると20㎏近く収穫できた。
梅林も切り倒され、庭と畑の一部に残るだけの梅の木でこれだけ取れるとは!
軽い驚きを禁じえない。

初めての作業には多すぎる量なので
いろんな人に少しずつおすそ分けし
残りの梅を3.5㎏、3kg、2kg、1.5kgと
それぞれに梅酒、梅ジュース、梅干用とほぼ一日がかりで選別した。

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訪れたお客さんが、ままごとみたいな私の作業に
「昔は毎年50kgずつ漬けたもんや」と笑っていた。
軽く受け流しながらも
昔の人の働きに頭の下がる思いがする。


利便性だけが追求され、出来合いのものが当たり前に流通する昨今。
こんな豊かな自然の恵みを今日まで放ったらかしにしていた自分に
少し嫌気が差しもしたが、
目覚めさせてくれたのは「竈の家」と「竈の会」と「御婆ちゃん」。

飲み頃、食べ頃になったとき
そんな話題で盛り上がれる仲間のいることが、今の幸せに繋がっているのだなぁ。
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by uneme_tayuu | 2007-06-18 10:55 | かまど雑記 | Comments(2)

梅酒の古酒

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2年ほど掃除を続けているが、まだまだ手付かずのところも多い古家。
一人でたまの休みに出向くだけでは追いつかないのが現状だ。
そんな中で一念発起して
新たに手を入れ掃除した箇所で見つけたのがこの古酒、梅酒。

祖母が生前に造った自家製だ。
記された日付は平成3年9月30日なので
おおよそ16年前のもの。

仕掛けた仕事の手を休め
栓を開けると、ふわっとやわらかく匂う梅の香。
ガラスの器に注いでみると
琥珀色に輝く色艶が得も言われずに美しい。
恐る恐る口に含んでみると
16年間熟成させた梅酒は、お酒というよりは
ブランデーに近いコクとまろやかさを備えていた。
原材料の梅はといえば、もちろん家の梅林で取れたものであり、
一粒一粒大切に手でもいだものだ。

祖母が居なくなり、川沿いの梅林もいつしかアパートに変り、
毎年の決まりごとだった梅干づくりも梅酒造りもしなくなってしまった昨今だが
こうして深い香りと熟成された味わいをお楽しんでいると
もう一度昔に戻って手造りしてみたいと思えてくるから不思議だ。
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by uneme_tayuu | 2007-05-15 17:32 | かまど雑記 | Comments(2)

雑草という名の草は無い

かまどもこの頃が過ごしやすいよい季節。

徒然に過ごそうと休みごとに通ってみる。
片付けものをしながら、読書をしたり、調べものをしたり、
時にはなにか書きつくるもよし!

だが・・・
現実はそう甘くない。
春先の寒の戻りに無為にくすぶっていた私に比べ
雑草たちのなんと逞しいことか。
寒さも、日照りの悪さも、土壌の悪さも物とせず、
その強い繁殖力で地面一面に葉を広げ、花を咲かせている。

おかげさまで、家に着くと部屋で落ちつくまもなく
草むしりにいそしむこととなった。


その雑草と戦いながら考えた。

雑草という名の草は無いのだ・・、と。
そうして買ってきた山草図鑑で調べてみる。
ハコベ、ナズナ、チチコグサにハハコグサにオオイヌノフグリ、タチイヌノフグリ・・。
忘れていた懐かしい日本語に再会。
スミレだってタンポポだって探せばいく種類あることか!
ところによってはこんなきれいな白い花の群生まで。
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昨夏に見つけた冥加の新芽も発見!
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気がつくと
じわっと滲むと汗に風が冷たい日の暮れに
春の草むしりもなかなか乙なもの。
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by uneme_tayuu | 2007-04-26 16:52 | かまど雑記 | Comments(10)

ものを大切にする心

竈の会と称し、大勢の人間が集まることが
いいことばかりのはずはない。

たとえばこんなことだって起こりうる。
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フードコーディネーターヨウコさんから預かった大切な羽釜に
ゆがんで開いた小さな穴。
誰かが、空焚きしてしまったのだ!
使い物にならなくなった羽釜は
私が気がついたときには既に竈の第一線から追いやられ
傷ついたからだで悲しそうに横たわっていた。

その姿をみて私が思い出したものは
「ふらいぱんじいさん」
どうかこのまま棄てられずに
この羽釜にも、また新たな活躍の場が見つかりますように。


そして、こちら勝手口の引き戸。
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誰かが、錠が引っかかったまま無理やり開けようとしたのだ。
引きずられ、大きく破れた障子紙。

障子紙だからまた張り替えればすむ。
引き戸は、羽釜のように第二の人生を考えなくて済むとはいうものの
傷ついた姿はやっぱり哀れ。

ものを大事にする心
もう一度考え直したい今日この頃。
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by uneme_tayuu | 2007-02-19 16:03 | かまど雑記 | Comments(16)

小さな贈り物

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1月の竈の会のときのこと。
いつも遊びに来てくれるハルヤが私にハイと手渡してくれたもの。
"数珠玉"
それは、実は、私が常々探そうと思っていたものだった。

去年のあるお稽古の日、お花の師範も兼ねているお茶の先生が
「花展に使いたいんだけど、この頃どこを歩いていてもみつからないのよね。」
そう嘆いていたのを聞いてから。
忘れていた数珠玉の姿かたちを思い出しながら、
「竈の家の辺りにならまだあるかも知れない。探してみよう!」
秘かにそう思ったのだった。

私の心を読んでいたかのように、小さな両手のひらに散らばったいくつかの数珠玉。
思わず叫び声を上げた私をみて、どこで見つけたかを得意げに話す幼い笑顔。
この子の家の近くにはまだ多くの自然が残されているので
それほど珍しいものでもないらしく、
あんな、あんな、ウチの周りにいっぱいあるんやで!
嬉しそうに続けるその口調は、そんなに早く喋ったら咳き込むのではないかと
心配してしまうほど。

小さな顔いっぱいに広がる
とっておきの笑顔に出逢えるのも、かまどの家が私にくれた贈り物。
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by uneme_tayuu | 2007-02-12 15:40 | かまど雑記 | Comments(0)

来客

庭に山茶花の咲き乱れる冬。
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周囲が深と静まり返る夜になると
静かだった風が、これ見よがしに音を立て騒ぎ始める。
枯葉にざわつく風の音、
ひゅるひゅると宙を舞う風。
雨戸を叩く激しい音、
木製建具の隙間から入り込んで来るすきま風。
聞きながらゆっくりと目を瞑ると
小さな家の中は「魔王」の住む広い闇の世界へと変貌する。

そんな冷たい魔王の住む季節、
夏を旨とした風の通りのよいこの家に
先週初めから一人のお客人が、住み始めた。


どんな宿かと訪ねて来た日は、まだほんの秋口で
夏の名残のキツイ日差しが、深い庇に遮られ、涼しい風が吹いていた。
よりによってこの寒い冬に・・
とは思うものの、仕事は季節を選ばない。

出稼ぎ仕事の木賃宿。


***
昨夜、陣中見舞いと称し、間貸しして初めて竈の家を訪ねた。
どう?と訊ねたときには、「メチャクチャ寒いよ!!」と嘆いていた。
それでも幾分かは慣れたのであろうか?
かりそめとは思われぬ荷物の山に私の方が驚いた。
なぜか礼服までもが長押にかかっている。

もう一人、臨時の客人とともに日付が変わるまで話し込んだが
包まれる炬燵と仲間が居れば、機密性のないこの家も快適な空間となれる。

今はお風呂も近くの温泉通い。寝に帰るだけのこの家も
仕事をやり遂げたら二、三日延泊をして
薪でくべた桧風呂にのんびり浸かって過ごしたいと言う。

また一人「竈愛好家」が増えたようだ。


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             (臨時の客人から届いた雑然とした部屋の画像)

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                  (翌朝庭から眺める山茶花)
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by uneme_tayuu | 2006-12-16 18:35 | かまど雑記 | Comments(2)

夏の花カンナ

郵便物を出すために近所の郵便局まで赴くと
「えっ、もうそんな季節?」
不意を突かれたような気持ちになった。
気になってその足で竈の家まで向かった。
ああ、やはり!いつの間にかそんな季節だったのだ。
確かに、ここ数日、空気が揺れるように暑い。
その熱い空気の中、その花は元気よく咲いていた。

その花。黄色いカンナは、
竈の家では、紫陽花のある表玄関とは反対側の敷地境界線を飾っている。
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二年前まで水田だった南隣の敷地は1メートル以上も高く嵩上げされ
味気ないプレハブ住宅に様変わりしてしまったが
カンナはそんなことはお構いなしだ。
陽の光を遮られようが遮られまいが、畦道があろうとなかろうと、
水路が土からU字溝に変わったときもお構いなしだったように
周囲の状況など気にもせずに、夏がくれば太陽に向かって花開く。

ずっとずっと、カンナは黄色い色をしていると思っていた。
松任谷由実が「カンナ8号線」を歌ったとき、その歌詞を聴いて不満に思った。
「なんで黄色いカンナが燃えるのよ!」
腑に落ちなかった。
それからしばらくして、花の色は赤もあればオレンジもピンクもあると知ったが
一番美しい色は黄色だと、その頃から思っている。

美しい黄色、太陽の光がよく似合う美しい色。


ああ、そうか!そういうことか!!
黄色も燃える色だからだ!

温度が高いと、火は赤から黄色に変化する。
「燃えて揺れてた」と表現されていたのは
あるいは黄色いカンナのことだったのかもしれないな・・。
今にして思えば、
燃える色が「赤」と思い込んでいたのは私の浅はかさだったのだ。


***
去年の夏、棟梁に「この花がお気に入り」と言ったら、
ワークショップで使う雑木の枝の収集作業をしながら、周囲に生い茂る草を
さりげなく刈ってくれたように、
今年もまた誰か、花を愛でる人が現われて
美しく引き立つ状態に戻してくれないかと思う。
なんといっても3週間ぶりに訪れた家の雑草のすごさといったら・・・・まったく・・。
私はしばし言葉を失い、立ちすくんでしまったのだから。
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by uneme_tayuu | 2006-07-15 09:13 | かまど雑記 | Comments(4)

紫陽花基金

雨上がりを待って竈の家を訪ねた。
理由は、紫陽花。
露に濡れた花びらの美しさを確かめにきた。

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彩りよく赤紫の紫陽花が出迎えてくれたと言いたいところだが・・・、
花咲く季節だけしか見向きもされない紫陽花は、少し痛んでやせていた。

この家がまだ主人を持っていたころ
紫陽花はもっと華やかに
この季節特有の彩りを常夜灯とバス停に添えていたはず。
たとへば、こんな風に・・・

   「常夜燈 昼は紫陽花 明りかな」

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常夜灯が自慢で、紫陽花が好きだった祖母は
齢七十を過ぎて始めた俳句で紫陽花と常夜灯の句をいくつか残した。
死後、従兄弟が中心となって一冊の句集にまとめたのだが、この絵はその中表紙の挿絵。
この絵のイメージが、私の中で、いつの間にか現実との乖離を起こさせていた。

***

   「旧街道 紫陽花浮きたつ 常夜燈」

   「煤払う 油煙に染みし 常夜燈」

久しぶりに句集を開きながら考えた。
そうだ!基金を募ろう。その名も「紫陽花基金」!!
そうして集まった基金で竈の家の玄関をこの挿絵のように紫陽花で埋め尽くすのだ!

大げさなことなどしなくていい。
ほんの少し。ほんの少しだけ!

面白い遊びを思いついた子供のように、心がはしゃぎだした。
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by uneme_tayuu | 2006-06-24 12:03 | かまど雑記 | Comments(2)

かまどメール

本日、かまどの会事務局よりメールマガジン風お知らせメールを発行致しました。
不定期ですが、今後も継続して、竈の家で催されるイベントや最新情報その他を
お知らせしていく予定です。
ただし、一般には公開されていません。
健康的で自然にやさしい昔ながらの生活スタイル、自然との共生を考えることができ、
竈のある暮らしを楽しめる方、そんな人たちとの輪を広げていくという
かまどの会の趣旨に共感してくださる方をつなげていく大事な場であり、
時には個人名も記載されるからです。

ならばなぜ?と思われるかも知れませんが、同じ気持ちを抱いてみえてもアドレスを知らないがために、ご案内が送れないままで居る方もいらっしゃるわけで、
今回はそのためのお知らせなのです。

もし、この記事を読まれた方で、この会の趣旨に共感し、あるいはもっと交流を深めてみたいと思われた方は、お手数ですが、ここまでお名前とアドレスをお知らせください。
なんだかよくわからないわとおっしゃる方は、しばらくこのブログでお付き合いくださいね。
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by uneme_tayuu | 2006-03-15 00:21 | かまど雑記 | Comments(0)

かまど記念日

几帳面に綴った昨年の手帳を取り出してきて、一周年記念をやらねば!と叫んでいたのはいったい誰だったのか?

過ぎてしまえば、熱さ忘れる(?)「かまど記念日」

主をなくした「かまどの家」に、数年ぶりに「火」が入ったのが、昨年の2月13日。
何気に読んだ怪しい大工風ブログでふと我に返る。
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by uneme_tayuu | 2006-02-16 22:49 | かまど雑記 | Comments(3)