雛の日

「雛の日や けふ生まれしわれ 子供好き」

祖母が、生前に読んだ句だ。
子供が好きで、若かりし頃は東京で幼稚園の先生をしていたという。
そのころ身についた習慣は、田舎に戻ってからも抜けることなく
外出時には片肌脱いで襟化粧をし、顔に紅おしろい、髪はふっくら結い上げて
田舎仕事をしている人々をよそに颯爽と自転車で走り回っていたという。
その頃とてもモダンな人だったらしい
その印象と
子供好きな一面はなかなか繋がらなかったのだが
ぼんやりとわかったことが、昨日一つ。

”子供好きというよりは子供に好かれてしまうのだ。”

随分と昔、
弾かなくなったオルガンを持っていってあげたらたいそう喜んで
暇をみつけては弾いていた。
折り紙も好きだった。風船、クス玉、千羽鶴。
新聞の折込広告の色が織り込まれたそれらはとてもきれいで上手かった。
子供の好きなお菓子も大好きだった。
姉にチョコレートを与えすぎて「味噌っ歯になった」と母になじられたりもしていたが
意に介さず。
プリンや寒天の水菓子はいつも(自分のために?)常備されていた。
四季折々の行事を暮らしに取りいれ楽しむことも好きだった。
晩年は豊富な語彙を活かし、句作に勤しんだ。

子供は仲間を見つける天才だから
祖母は子供達に見つけられ、祖母もまた近づいてくる子供達を愛したのだろう。

頑固で、男勝りで、筋の通らないことは大嫌い。
そのくせ、無垢で、無邪気で、欲少なで
花鳥風月を愛でる心は、野の雑草にまで及ぶたおやかさ。
死ぬまでそんな心を持ち続けた。


お婆ちゃん子だった私は、昔からそっくり!と言われてきたが、
不思議と子供に好かれること以外
まだまだ至らないことが多く、
「雛の日」に改めて故人を偲び、我を想う。
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by uneme_tayuu | 2007-03-03 22:37 | | Comments(2)
Commented by magnolia_tree at 2007-03-05 15:23
先日、我が子がuneme_tayuuさんの膝の上で、楽しそうに笑って
いましたね!やはり、何かを感知するんでしょうね。

それにしても、すてきなお祖母さまですね。
私も小さい頃からおばあちゃん子で育ちました。
うちの祖母も明治生まれの女学校出だったのですが、
今から思うと「ちょっと変わった」おばあちゃんでした。
「ちょっと変わった」エピソード、今度話したいです。
Commented by uneme_tayuu at 2007-03-06 11:15
magunolia_treeさんのお子ちゃまの笑顔、可愛かったですね~。
また抱っこさせてくださいね♪

どんなおばあちゃんだったのでしょう?
昔の粋な人の生き方って
話を聞くだけでWAKU☆WAKU、DOKI☆DOKI楽しいですよね。
「ちょっと変わった」DNAはmagunolia_treeさんにも
受け継がれているような気がして、お話が楽しみです☆
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