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第7回かまどの会

「竈の会」はじまって以来の盛大な会だった。

半年振りの開催であり、新年会でもあったこと。
試みの企画中村昌弘氏による「木の家づくり」講演が開催されたことなどもあって
家中が、人、人、人であふれていた。
子供達の笑い声や叫び声、泣き声までもがそこかしこで聞こえていた。
予想もしない人が参加してくれたり、思わぬ人が立ち寄ってくれたり、
冬の寒さを感じさせないくらい大勢の人で賑わう、暖かで幸せな一日だった。

建具を外し二間続きで食卓を準備したのも初めてだ。
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ところで、
おにぎりがきっかけで始まったこの会は、基本的には、竈を囲み竈で炊いた握り飯を楽しむ「かまどで飯炊こう」の会なのだが、
回を重ね、人が増えるごとに食卓が豪華になっている。
ふと考える。
それはごく自然なことなのだろうか?と。
もちろん、豪華といっても高級な食材という意味ではない。
食卓にのぼるのは、旬の食材を使った竈で手軽にできる料理と持ち寄られる差入れだけである。
差入れも、時には地域の特産品や銘酒であったりするが、おおむね地場で採れた採れたての野菜やお肉、手作りの一品、或いは頂き物、家にあったもの、と
この日のためのとっておきであり、この日のために仕込まれた品々ではあるが、
誰かが特にお金をかけているというものでもない。
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昔の造りの小さな流しと狭くて暗い竈での調理は、お年寄りでなくとも大変なのだから、差入れは大いに歓迎されているし、助かるのだが、こちらから要求しているものでもない。
それでも、誰彼となくそれぞれに心をこめて手渡してくれるのは、気心の知れた仲間達と、懐かしくゆっくりした時間の流れの中で食を楽しみたいと考えるからだろう。

食は人間の一時的要求であり、食の楽しみは人生の楽しみでもある。

だが、ちょうど2年前の最初のきっかけを知っている私は、舌鼓を打ちながらも、
ふと我に返り、どうしてこんなことになってしまったのだろう?と、そっと苦笑いしてもしまうのだ。
それは、集った数人が竈をかこみ、竈と対話をし、試行錯誤の上炊き上げた本当に真っ白なご飯だけを、竈の神様に感謝しながら頬張ったあの日を、忘れられないからかも知れない。


人が増えれば自然と流れも変わるし、楽しみ方も変化する。今回のような大人数になれば全員で竈を囲むこと自体が不可能だ。
ただ食べるだけの人が居たり、話込んでばかりの人が居てもいい。
思い思いに過ごせる空間が竈の家のよさなのだから。
幸せなことに竈に集うメンバーには料理好き、おもてなし好きが多いので、狭い竈以外のあちこちで思い思いに料理する人も見かけたりする。
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人がどんなに増えたとしても、入れ替わったとしても、都度の献立に困ることはなさそうだ。

今回ほとんど料理らしい料理のお手伝いをしなかった私は、差し出される品々を少しずつ順番に平らげながら天邪鬼にも心の中でつぶやいてみた。
「おにぎりとお味噌汁だけでも十分満足なんだけどね!」と。


参考までに今回のMENU
・むかご炊き込み竈ご飯のおにぎり
・牡蠣竈ご飯のおにぎり
・かまど冬瓜汁
・山梨県内で撃ち落とされた鹿肉のシチュー
・地場産菜の花のお浸しゴマ和え
・差入れ黒豆煮
・差入れ卯の花
・鈴鹿名物ひの菜漬け
・七輪で焼く猪肉のあぶり焼
・ダッチオーブンでつくるオイル・フォンデュ
・静岡名物富士宮焼きそば
・長野県産無農薬の赤米玄米竈ご飯
・手作りアップルパイ
・小豆からじっくり煮込んだ善哉
・九州名物ゆべし

その他に、食し切れなかった差入れの「お豆腐」、子供用お土産の「ニッキ水」「ボンタン飴」、沖縄銘菓「ちんすこう」、四日市銘菓「永餅」、変わったところでは「みたらし味のグミ」などなど。
by uneme_tayuu | 2007-01-15 23:58 | かまどの会 | Comments(10)
Commented by メール番人 at 2007-01-16 22:29 x
管理人さん
おつかれ様でした。
本当ににぎやかでしたね。

みなさん、
無事にお帰りになれたでしょうか、
遠路ハルバルのかたから、すぐ近所のかたまで…。
今回参加できなかったかたも、またお会いしましょう。
今後ともどうぞよろしくお願いします。
Commented by uneme_tayuu at 2007-01-17 09:16
メール番人さんも、朝早くから夜遅くまで、お疲れさまでした。
みんなが一堂に会したって感じでしたね。
そんな大勢の人を動かす段取りや
当日の采配のうまさは、いつもながらに心強いです。
今後ともよろしくお願いします。

で、お願いなんですが、相変わらずあたふたしている私で、よい写真があまりないんです。特に公演中の写真とか・・(聞き入り過ぎ?)。
また画像分けてくださいね!ヨロピコ♪
Commented by kuma28 at 2007-01-18 16:00 x
たのしく、美味しい一日でした。早く帰ったのが残念です。

私の山小屋も昔は、沢で水を汲みおんぼろコンロで料理してました。今は、食洗器、ビルトインコンロ、電子レンジ、給湯器、何でもあるけど、楽しさは昔と変わりませんね。

管理人さん、原点を振り返ることが出来ましたよ。肩の力もちょっと抜いてやっていきます。朝はもうすこし早く行きます。

メール番さま 写真楽しく拝見しました。ありがとう。
Commented by uneme_tayuu at 2007-01-18 18:44
まさに「好きこそ物の上手なれ」
kuma28さんの料理の腕前に、この頃甘えてばかりなので、ふと不安に
思ったのですが、不便さの中でつくることさえも楽しみに変える kuma28 さんですから、
そう心配しなくてよさそうですね。
これからもよろしくお願いします♪

夜のかまどは、キャンプファイヤーが終わったあとのような寂寥感が漂いつつも、
おき火のようにほのかな、でも実は熱い炎が、隠れているような気がするのです。
それがまた次へのエネルギーとなるのでしょうか?
私はその不確かな、でも確実ななにかが好きなのです。
次回はのんびり夜まで過ごしてください。

そして、春には、念願の山小屋ツアーも決行しましょうね!
Commented by リン at 2007-01-22 01:53 x
みなさま、ありがとうございました。またおじゃまさせてくださいね。
今度は走らずに行きますよ。
Commented by kuma28 at 2007-01-22 10:28 x
今回は、口がよく動きましたよ。達者な方たちに手を動かしてもらいました。おかげさまで冬瓜汁に集中できました。

春の夕暮れが楽しみです。
Commented by uneme_tayuu at 2007-01-22 19:22
リンさん、遠方をありがとうございました。
楽しんでいただけましたか?
お会いしたのは初めてじゃないはずですが、お話したのは初めてでしたね。
想像以上にかわゆいおかあさんだったので、
なるほどな~と随分納得いたしました。

あせらずのんびり来てくださいね。
2時間に1本のバスしか走っていないド田舎なのですから。
Commented by uneme_tayuu at 2007-01-22 19:27
お料理は今回は(も?)男性陣が大活躍でしたね!
kuma28さんの冬瓜汁ホンとに美味しかったです。
ひき肉を使ったのもよかったのかも!

残り物の冬瓜汁とおぜんざいはほぼ一人で平らげました(笑)。
こういうとき役得を感じます。
春がまた待ち遠しいですね。
Commented by kuma28 at 2007-02-02 22:28 x
かまどの火加減を口で調整しながら、料理を作りました。火加減をしてくれた人、ありがとうでした。名前も聞かずごめんなさい。

冬瓜の下ごしらえが良かったのですよ。きれいに面取りしてありましたね。ひき肉は、息子の助言です。ぜんざいは、トウキビ砂糖が良かったかも。明日作ろうっと。

春の花見、ほんと楽しみです。
Commented by uneme_tayuu at 2007-02-05 09:06
かまど番してくれたのは誰だろう?ハシモトくんかな?
彼は撮影時の応援以来始めての参加だったにもかかわらず
ほとんどの時間を竈で過ごしていたように思います。
余程気に入ってくれたのかな?(笑)
次回も参加してくれるようお願いしておきますネ!

下ごしらえを褒めていただけて誠に光栄です。
ほかに後片付けも得意です。
できることを少しずつ、いいですね。
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