小寒号 -今日は旧暦12月13日です-

このごろ、とくに寒いと思っていたら、
寒の入りである「小寒」の報せ。
つくづく、二十四節気や旧暦は
よくできているものだと感心します。

釣りをしているかたから
こんな話を聞いたことがあります。
いつも魚が回遊してくる頃合いが、
ある年、大きくずれたことがあった。
不思議に思ってカレンダーをよく見たら、
その年は旧暦で閏月があり
現代歴と旧暦の差が大きく開いている年。
旧暦では、やはりおなじ頃合いを
指していたそうです。

第一次産業を中心とした、
自然の巡りに沿った生業を持つ方々の多くは、
明治の改暦以降も、旧暦を活用しています。
日本が、かつての暮らしの中で育ててきた旧暦はそれだけ、
「自然とつきあって暮らすために、便利に進化していた暦」
だったのだと思います。

折しも、現代歴のこの年末、
ニュージーランド東の島国サモアで
日付変更線の変更があり、12月30日が消失しました。
自国より東側の国とより、西側の国との交易が盛んになったため、
そちらの時間帯に合わせる方が便利だ、という理由です。
なんとも、明治の改暦を彷彿とさせる話でした。

明治政府の選択を批判するつもりはありません。
ただ、当時の日本が現代暦を「いいね!」と選択した理由は
「同じ暦を使っている国との交易に便利」という経済事情を
優先したものに過ぎないということ。
現代暦も、旧暦も、多様性を持つ暦の一つ。
どちらが絶対的に優れている、という訳ではない。
そこを誤解してはならぬと思います。

昭和生まれの私にとっては、
「現代暦」は、生まれた時から接している、
「あたりまえで、普通で、便利な暦」でした。

でも、それなりの年月を生き、
多種多様な世界を見聞きして学ぶにつれ、
それは、日本という土地に住む人間の長い営みのなかで
非常に限られた「現代における条件」の中での
「あたりまえ」であり「普通」であり、
そして、「便利」であったのだと、あらためて感じています。

現在、身の回りにある「あたりまえ」や「普通」、
そして、てのひらの中にある「便利さ」。

暦の話から、広がってしまいましたが、
いま、私たちは、批判の目ではなく、
敬意を持って過去を振り返るこころと、
希望を持って未来を見晴るかすこころを持って
それらをあらためて見直してみるべき
転換期にいるのだと思います。

emix
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by uneme_tayuu | 2012-01-06 10:44 | 暮らし暦 | Comments(0)
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