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冬至号 -今日は旧暦10月2日です-

「畳で生まれて畳で死ぬ」

ここのところ日中はとても穏やかな日が続いています。先日里を離れ
て久しぶりに名古屋に行って来ました。
私の出身校である専門学校の学園祭に足を運んできました。若い学
生さん達の横顔を見てたこ焼きを頬張っていると
「自分もこんな風にたこ焼きとか売っていたなあ」と何十年も前のこと
を思い出したりしました。
学園祭ですが講演会もありました。映画監督の河瀬直美さんという
方のお話を聞くことが出来たのです。
河瀬監督は名古屋の専門学校の系列校大阪校の卒業生。そんな関
係もあり今回の講演会が実現したようです。
講演会は監督の今までの歩みなどを少しはなしていただいたあと最
新作「玄牝(ゲンピン)」(11月6日から公開)のダイジェスト版を見せ
ていただきました。

内容は自然分娩を実践している岡崎の吉村医院さんというところで
繰り広げられるお産に関わる人達のドキュメンタリー映画。
監督は「若い人達に子供を生むのにこんな産み方もあるのだ、という
ことを知ってほしかった。この映画を見て今、居る彼と彼女の関係も
ひょっとすると見つめ直したりする機会になるかもしれないし」そんな
ことを話してくれました。
出産する時にお兄ちゃんがじっと見つめていて子供が生まれると泣
いているシーンが印象的でした。
(なんだか自分の息子が誕生した時のことを思い出しました、少し泣
けた。)
映画館のスクリーンで見たらきっと女性のすごさや生まれてくる「い
のち」の大きさがどっしりと、ずっしりと伝わってくることと思います。
とても美しい病院個室で生むことも一つの選択なら自然分娩というの
も一つの選択。
そんな選択の広さを教えてくれるような気がしました。

そして「畳」という物の存在、それは家そのものの存在なのではない
かな。いろんな人に見つめられて畳の上で出産するシーンを見せて
もらって「畳の上でいろんな人に囲まれながら生まれてくる子供は何
とも言えず幸せなのでは?」
そしてその逆の死の時も。人は生まれ、また死んで行く。その繰り返
される営みを受け入れる畳そして家、
私にとって「家」の存在を考えることにもなる映画にもなりそうです。
講演会を聞き終わり卒業生が「映画館のスクリーンで見たいです
ね!」と話しかけて来ました。同感!

広葉樹達がゆっくりと色づき始めてきました。冬はもうそこに来ている
ようです。

風邪などひかぬようお気をつけておすごし下さい。


写真師 松原
by uneme_tayuu | 2010-11-08 08:56 | 暮らし暦 | Comments(0)
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