雨水号 -今日は旧暦 1月 6日です-

今日は「雨水」。

今回の記事は、つい先日、仕事で高山に行ったときに見た雪について
書こうかと思っていたのですが、考えてみれば、もう春なんですものね。
なんかもっと春らしい話題はないものかと、
家を出て、堤防を散歩してみました。

堤防は、以前書いたように至るところで、無用な(?)工事が継続して
行なわれていますが、それでもまだ破壊が及んでいないところも
たくさんあります。

やはり歩くっていいですね。柔らかな日差しを浴びるだけでも心地がいい
のに、自然が冬の間に作ったドライフラワーの中から、名を知らない草花
が勢いよく芽吹いてきているのを見たら、おのずと心が温まって、
浮き浮きした気持ちになることができました。
しばらく歩いて家に戻ると、今度は庭のまだ固い蕾だと思っていた梅の花
がほころびかけていて、
数日前の新聞のコラムに、ある歌が載っていたのを思い出しました。

“東風吹かばにほひおこせよ梅の花 主なしとて春を忘るな”

コラムの内容は忘れてしまいましたが、この歌を読んだのは菅原道真、
藤原氏との熾烈な政権抗争に破れ、太宰権帥(だざいのごんのそち)に
左遷されたとき、自宅にあった梅の花を思い浮かべて読んだ歌です。

そして菅原道真と言えば、名狂言『菅原伝授手習鑑』がありますね。
歌舞伎や文楽の演目として上演されることが多いのですが、
歌舞伎ですと、人気の演目の中でも特に評判のよい段のみを演じることが
ほとんどで、『菅原伝授』で言うと「寺入りの段」・「寺子屋の段」になるわけ
ですが、私は文楽を聞きに行くようになるまで歌舞伎ではずっとこの2段
しか観たことがありませんでした。
そして4年前の春、ようやく文楽でその前段を観ることができました。

あらすじは、菅原道真を流罪にする口実をつくってしまった三つ子の兄弟と
その父親の悲劇でしたが、舞台の上は桜の花咲く春でした。
春に春らしい演目を見る。
夏には夏の演目、秋には秋の。何気ないけれど、四季の移り変わりを大切
にしている文化がまだあるということにそこで思いが至り、
私達が皆さんにお送りしているこの暦メールも、一人でも多くの人に
日本の四季を感じてもらいたいという願いから出発していることは、
大半は続けることに対する自己満足であっても、少しは誇ってもいいことな
のかなと、おこがましくもちょっぴり満足な気持ちに浸ったのでした。



つらつらと思いつくままを書いてしまいました。

高山もそうですが、地域によっては「雨水」と言えど雪解けには程遠く
当分雪とともに生活をしなければならない方もいらっしゃると思います。
それでも、それぞれの生活の中に「春」を感じる瞬間はあるのではないで
しょうか。
そういうことに幾らかでもお手伝いができたら嬉しいと願っています。


かまど暦メールは、次「啓蟄」号でまるっと三年、「春分」号からは第4期に
入ります。
新規の方も古参の方も、どうぞ末永くお付き合いくださいね。


by かまど管理人
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by uneme_tayuu | 2010-02-19 17:05 | 暮らし暦 | Comments(0)
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